転職支援をしている斉藤です。
中小企業に転職した藤田さん(43歳)のケース
ほとんどの会社において上司が良い上司、素敵な上司である確率は決して高くありません。
組織である以上、みな利己的に動きやすく、人間関係の苦労はつきないものです。転職だけで人間関係を解決することは難しいのが現実です。
中小自動車部品メーカーの管理部門に勤めていた藤田さんは、
人事部門での経験が比較的長く、現場での経験もあるものの、今後は人事に関する専門性を高めていきたいという強い想いがありました。
40代の中高年は上司を転職で変えようと安直な考えを持つな
しかし、現職では人事本部長との相性が合わないという問題がありました。
直属の上司であるうえ、そう簡単に一社員が上司を変えることはできません。
この上司は、思いつきと思われる発言、指示出しが多く、加えて感情的で責任を全く取ろうとしない。
プロジェクトが成功すれば上司の手柄となり、失敗すれば自分の責任に近いような案件も多く、正直なところ、上司のご機嫌取りにも毎日疲れていました。
一方、社長は完全なイエスマンである人事本部長との相性は抜群でした。
少なくとも何でも言うことを聞いてくれるのだからやりやすい。
リストラや労務問題についても自分があまり関与したくないような重大なトラブルも、その人事本部長に任せておけば万事解決してくれる。
しかし実際、平田さんからすると、その人事本部長が引き受けていた仕事は、実際には部下である彼が多く実務をこなしていた。
また未然にトラブルにならないように自分のほうで水面下で処理してきた案件も無数とあった。
人事の仕事にプライドは持ってはいるが、この上司が意外と若く、自分と5つしか違わないため、上司が辞めなければあと10年以上この関係が続く可能性もありうる。
そこで思い切って転職を決断して、直接社長とやりとりができるぐらいの規模の小さな会社へと転職を果たしました。
40代の転職先で人間関係が更に悪化して絶望を味わう
完全に人事の責任者として実行して良いという話だったので、張り切って転職したが、その後が大変だったそうです。
創業社長の直下での仕事ということだったのだが、この人が前職の上司以上に指示が思いつき、加えて感情的で責任を全く取ろうとしないのは全く同じ。
さらに、防波堤になってくれる上司もおらず、部下の多くはプロパー社員で社長を信じているため、中間管理職としての辛さが半端なものではなかった。
多くの社員が、社長は横暴だパワハラだと言っていたが、それには慣れており、会社への忠誠心が絶大だった。
絶大というよりは、それしか知らないという新卒上がりの社員が多かったからなのではないでしょうか?
毎日会社に出社するのがどんどん辛くなってきた。
今思えば、創業社長に比べれば前職の上司の無茶ぶりなんて可愛いもんだった。
突然、他の社員の目の前で、感情的に怒鳴られることもしばしばあり、社長の顔を見ると胃が痛くなる毎日となった彼が3か月後に転職したことは言うまでもありません。