転職支援をしている総務人事歴12年の斉藤です。
今回は、2年間引きこもっていたE氏の例を紹介していきます。
資格学校の宣伝は盛んに転職に有利と煽り立てるが
そんな資格に翻弄され転職が失敗した典型的な特徴をみていきましょう。
某金融関係に務めていた40代のEさんは介護離職するはめに陥り、2年間少々の引きこもり期間を乗り越えて、再就職活動を再開しました。
これが、去年の9月のことです。
2年間引きこもった40代転職者は転職できるのか?
正社員で転職しようと思ったら、ハローワークに行ったり、転職サイトにも、履歴書や職務経歴書を登録しておき、関心がある企業がアプローチしてきたり、お薦めの企業を紹介するメールが送られてきたりするため、それを見て自らが応募する。
人材紹介会社では、キャリアコンサルタントと会って、自分がどういう仕事をやってきたのか、どういう仕事を希望しているのかなどの話をしました。
それこそ、Eさんは、毎日のように就職活動をし続けました。
夏の暑い日は、スーツにネクタイ姿が案の定辛くて、スターバックスなどで、へたばっていたそうです。
そして、面接を受けると、そのたびに「 今後のご健闘をお祈り申し上げます 」との文言の入った「 お祈りメール 」が届いたという。さすがに、何度も心が折れそうになった。
150社以上落ち続けたことに対し、Eさんは、こう思い返す。
40代になると、年功序列の会社は、給与が高くなるし、管理職としての能力を求められる。
封建的な企業では“年下の上司の元で働けますか?”と言われたこともある。
それに、しばらく仕事の現場から離れていた。金融業界では、ほんの2年ほどの期間でも、急激に変容して、現場で毎日、情報をやり取りしていないから、知識がアップデートできていない。
必要なのは、日経新聞に出たようなみんなが知っている情報ではなく、大手町の飲食店で密かに会合を持ったときに仕入れたような話。
現場から遠ざかっていたことが、結果的にマイナスだったと後悔する日々が続いた。
一般的には、引きこもりしている人たちにとって、空白期間が長ければ長いほど、致命的になるのである。日本の会社は、基本的に出戻りが許されない。
E氏によれば、少し前なら、B銀行を辞めても、C証券で働くことができたという。
ところが、いつのまにか、C証券は、B銀行の子会社になってしまう時代になってしまった。いまは、そういう世界だと、Eさんはため息をつく。
Eさんはまた、ハローワークは、まったく役に立たなかったと愚痴をこぼした。
ハローワークは40代転職者の役に立つのか?
ハローワークの窓口の人たちが、求人票を見て、その仕事がどのくらいの実務経験や技術系の資格取得者が必要なのか。求職者と求人内容とをマッチングさせる能力がないと分析した。
現在は、官庁や自治体の外郭団体が求人を出すケースが増えている。
いままではコネなどを水面下で採用していたが、時代と共に表に出すことになった。
E氏によれば、だからこそ求人件数も増えたのだという。
それは一見、嬉しいことなのだが、応募の結果について、何の音沙汰もない。
資格を取っただけで40代転職が有利になると思うなかれ
資格についても、まったく役に立たないことを実感したという。
E氏は、履歴書の資格の欄が立派に埋まるほどなのです。
ところが、ほとんどの資格は、自分で開業している人か、企業で必要に迫られて持っている人以外、まったく役に立ちません。
ところが、資格の学校は、その必要性を盛んに煽ります。
社団法人や財団法人、NPOなどが、ものすごい数の資格を作っている。
でも、資格を取っても、就職活動にプラスになるわけではありません。
資格に幻想を持っている人がいますけど、公認会計士が早期退職を迫られたり、生活保護を受けている弁護士もいたりするのが現状です。