40代後半でリストラされたA氏は1年間次の仕事を見つけることができませんでした。私は彼の履歴書をチェックしていて驚愕の文言を発見したのです。「 土日は少年野球のコーチをしています 」とPR欄に書いてあったのです。
40代の転職者は、労働基準法を破ってまで朝から晩まで働けとは言いませんが、中小企業に入社して幹部として働く以上は、既存の社員よりも高い意識が求められます。
なのに「 土日は少年野球のコーチをしています 」とか「 土日は町内会の会長をしています 」などと、わざわざ書いてしまうと「 この人は土日は働く気がない人なんだな 」と見られてしまいます。
細かいことですが、そういったことは書かない方が賢明です。
同様に、幹部候補として転職する以上は「 転勤不可 」や「 通勤1時間以内 」といった条件で企業を選別していること自体、そもそもやる気がない40代だとみなされてしまいます。
正確にそう書いていなくても「 働いてやるから、その代わり色々要求させてもらうからな 」といったニュアンスが、履歴書や職務履歴書から透けて見えてしまうとダメなのです。
書いてある内容以前の問題として多いのが、履歴書や職務履歴書の誤字脱字です。
続いて、だらだらと履歴を羅列しているだけで、いつからいつまでどこの会社にいたのか不明瞭だったり、履歴書と職務経歴書の勤務年数が違っているなど、結構こういう人が多いのです。
幹部候補としての採用を検討中であるのに、これでは落されても文句は言えませんよね?
また、文章の開業や協調、囲みのセンスが全くない40代も多く見受けられます。経営幹部としての才覚が問われているわけですから、とやかく言われなくても、それぐらいのセンスは持ち合わせておきたいものです。
「 この中高年は注意力がたりないな 」とか「 この程度のパソコンスキルでは、プレゼンの資料すらまともに作れないだろう 」などと採用担当者に思われたら最後です。
そういう例が非常に多いので、私たちも書類は可能な限り入念にチェックしています。
また、転職書類に書く前職での肩書について、「 部長 」や「 課長 」ならだいたい序列が分かるのですが、「 部長代理 」や「 副長 」などの肩書がどういうポストなのかは、社外の人間である採用担当者には見当が付きません。
書類にこまごまと注釈を入れるわけにもいかないため、面接時に社内組織や特記すべき事項については、相手が分かり易いように簡潔に伝える必要があるのです。
加えて「 肩書は平社員ですが、私の上司は社長と専務だけなので、実質的には現場の責任者です 」など、職務履歴書に書けない+情報を面接できちんと伝えることが重要になってきます。
全く採用されない40代職務履歴書の盲点について、いかがでしたでしょうか?転職エージェントのキャリアカウンセラーと二人三脚で採用される職務履歴書をブラシアップしてきた40代は、些細な盲点に気付き得ることができるでしょう。