自分には自覚がなかったのですが、大企業に勤務していた人間は「 人・物・金・ブランド 」全てが整っている環境で仕事できていることに無自覚過ぎ。
40歳代でリストラされて転職活動をして初めて、「 自分はこの10年間恵まれていたんだな 」と自覚しました。
場の雰囲気を作りだせる中高年
中小零細企業に転職するという行為は、それらがない中で、上司や部下と折り合いをつける力がなくてはならない上に、ブランド力がなくても得意先にいって商談をしたのち、自社の製品やサービスを買ってもらわなければなりません。
そういう意味でも、コミュニケーション能力の高い人でないと仕事になりません。机に座ってデータ管理だけしておけばいいような仕事はありません。
すなわち、素直で実直、好感度が高い、場の雰囲気を作るのが上手い中高年に人気が集中しているわけです。
逆に私のように、元気がない人、常に疲れた顔をしている人、コミュニケーション不足な人(自分の主張ばかりする人)、一緒に働いてみたいと思えない人は、即不採用です。
自ら市場を作り出し、社員の先頭を切って、嫌がる社員をまとめ、購買意欲のない得意先に買ってもらえるよう交渉できる人間力が求められています。
誠実な中高年が好かれる理由
「 この人がうちに入ったら会社が変わるんじゃないか 」と思わせる雰囲気や迫力、人間的な誠実さがうかがえる40代は、必ず求人側に好印象を持たれますし、なかなか思うように転職が進まない人は、テクニックを覚えるべきです。
あとは「 御社に入社したあかつきには、有言実行しミッションをこなします 」という覚悟や姿勢を見せることが、面接では最重要であります。
新規事業にせよ何にせよ「 適当なところまでやって、うまくいかなかったら辞めるタイプだな 」とか「 うちは腰掛程度にしか思ってない不誠実な人物だな 」と思われているようではダメです。
徹底的に転職先で仕事をしまくって、自分の地位を築く、自分の給料分は自分で稼ぐぐらいの不屈の精神を持って挑まなければ、中小零細企業での面接は上手くいきません。
生真面目な中高年は面接の裏表を知る
また質問には罠が仕掛けられている事実を、40歳代の転職者は知っておくべきです。面接官から「 どれぐらい経験が溜まったら独立したいとお考えですか? 」とか「 独立系の資格取得は今後の独立のための頑張りですか? 」などと質問された場合は要注意です。
面接官をしていて思うことは、「 40代以降の転職者は生真面目な人が多い 」という事実です。罠が仕掛けられているとは思わずについつい本音で語ってしまう中高年の多いこと。
面接は「 ある種の騙し合い 」と元上司が口癖のように言っていましたが、多少なりに面接でのテクニック的なものを学ばなければ、単に「 正直な求職者 」で採用されることはないと考えておくべきでしょう。